【スライダーとは？】
ピッチャーの手を離れたボールが、飛球時間と共に、加速度的に変化する球種

【スライダーとカーブの違い】
スライダーは、カーブする球が飛球時間と共に変化が鋭くなるが、カーブは、一定の円を描く

【スライダーの原理】
(なぜ、途中からまがるのか？？）

【前提として・・】
飛球角０度の時は、ボール回転軸と飛球方向(進行方向）は直角となり最も効率よくボールの球筋は変化し、自然落下しながら一定の円形軌道を描きます。
飛球角９０度（ジャイロボール）の時、ボール回転軸は飛球方向(進行方向）となりボールの球筋は自然落下軌道（放物線）になり、変化しません。
*飛球方向＝ボールの飛んで行く方向

【飛球角、傾き角とは？】 ←ココが大切！(クリック!!)
飛球角は上から見た角度。 傾き角度は投手側から見た角度。

【例】 （ココから本題）
（Ａ） ボールの回転方向は下向き回転（トップスピン）傾き角０度、飛球角右６０度の時、ボールに掛かる力の方向は下方向であり、飛球角０度の時の半分である（Ｃｏｓ60度は、1/2 故）。
（Ｂ） ボールの回転方向は下向き回転（トップスピン） 傾き角右３０度、飛球角０度の時、ボールに掛かる力の方向は下方向と左方向の合成方向である。
（Ｃ） ボールの回転方向は下向き回転（トップスピン）傾き角右３０度、飛球角右６０度の時、上記�Aと同様 ボールに掛かる力の方向は下方向と左方向の合成方向であるが、力の大きさは （Ｂ）の半分である（飛球角が６０度故）。

まとめると・・・
（Ａ）は、半分の力で縦に落ちる運動
（Ｂ）は、強い力で斜め左に曲がる運動
（Ｃ）は、初期の段階では、ほぼ半分の力で斜め左に曲がる運動。次第に（Ｂ）の強い力で斜め左に曲がる運動 に変化していく。 この運動によりスライダーが可能となります。

手の平でスライダーの実験をしよう：
�@ 指先を前方にし 親指を上にして、左手を広げる。
�A 広げた手の平がボールの赤道面、親指の方向がボールの回転方向。 （手の平から見て時計回り）
�B 親指を上のまま 手の平を右に６０度。　方向を変えた手の平を右に３０度傾ける。（飛球角右６０度、傾き角右３０度の斜め横回転のボール回転方向を表す）
�C 角度を決めた手の平を 前方に出しながら左下方向に進める（ボールの球筋方向に合わせる）

実験結果：
�Cの運動の最終段階で、手の運動方向が、手の平と平行方向に成っていることが、お判りでしょうか？
この事は ボールの飛球方向が ボールの赤道の方向になっていることと成ります。
言い換えますと ボール回転軸の直角方向に ボールが飛球していると云うことです。
このように成りますと、（Ｃ）で記述した半分の力は、（Ｂ）の強い力となり、ホームベースに近づくにつれ 鋭く変化してゆくこととなります。

*上記原理に基づき、ピッチャー再現マシンは、飛球角、傾き角、ボール回転数、球速を基に球筋とマシンの設定を算出しボールを打ち出しています。

【飛球角と傾き角の組み合わせ】
ボールの同じ回転数、同じ球速でも 飛球角と傾き角を変える事により 球筋は大きく変わります。
飛球角を大きく（ジャイロ回転近くに）し、傾き角を小さくすれば、縦の変化が鋭く縦のスライダーとなります。傾き角が０度に近づくと 縦のカーブとなります。

飛球角が同じで 傾き角が大きくなれば 横変化が鋭くなります。
余り大きくなりますと 甘いスライダーとなります。
傾き角が９０度に近づくと 横のカーブとなります。

１２５Ｋ：チョイスラ
飛球角 右５６度（飛球方向に対する赤道の角度）　
傾き角 右４５度（水平方向に対する回転軸の角度）　
ボール回転数 毎分９２０回転（下向き回転）　
球速 １１２km （スピードガン測定では、１２５km前後）
（３球目から１/２スロー）
キャッチャー側動画

１２５Ｋ：スライダー
飛球角 右４０度（飛球方向に対する赤道の角度）　
傾き角 右４５度（水平方向に対する回転軸の角度）　
ボール回転数 毎分１１５０回転（下向き回転）　
球速 １１２km （スピードガン測定では、１２５km前後）
（３球目から１/２スロー）
キャッチャー側動画

１４０Ｋ：チョイスラ
飛球角 右５２度（飛球方向に対する赤道の角度）　
傾き角 右４５度（水平方向に対する回転軸の角度）　
ボール回転数 毎分１０８０回転（下向き回転）　
球速 １２６km （スピードガン測定では、１３９km前後）
（３球目から１/２スロー）
キャッチャー側動画

１４０Ｋ：スライダー
飛球角 右４０度（飛球方向に対する赤道の角度）　
傾き角 右５０度（水平方向に対する回転軸の角度）　
ボール回転数 毎分１２８０回転（下向き回転）　
球速 １２６km （スピードガン測定では、１３９km前後）
（３球目から１/２スロー）
キャッチャー側動画

１５５Ｋ：チョイスラ
飛球角 右４７度（飛球方向に対する赤道の角度）　
傾き角 右４０度（水平方向に対する回転軸の角度）　
ボール回転数 毎分９００回転（下向き回転）　
球速 １４１km （スピードガン測定では、１５５km前後）
（３球目から１/２スロー）
キャッチャー側動画

１５５Ｋ：スライダー
飛球角 右４２度（飛球方向に対する赤道の角度）　
傾き角 右４８度（水平方向に対する回転軸の角度）　
ボール回転数 毎分１１５０回転（下向き回転）　
球速 １４１km （スピードガン測定では、１５５km前後）
（３球目から１/２スロー）
キャッチャー側動画

１２５Ｋ：縦スライダー
飛球角 右６７度（飛球方向に対する赤道の角度）　
傾き角 右３５度（水平方向に対する回転軸の角度）　
ボール回転数 毎分９７０回転（下向き回転）　
球速 １１２km （スピードガン測定では、１２５km前後）
（３球目から１/２スロー）
キャッチャー側動画

１２５Ｋ：縦カット
飛球角 右７４度（飛球方向に対する赤道の角度）　
傾き角 右１２度（水平方向に対する回転軸の角度）　
ボール回転数 毎分９３０回転（下向き回転）　
球速 １１２km （スピードガン測定では、１２５km前後）
（３球目から１/２スロー）

１４０Ｋ：縦スライダー
飛球角 右６０度（飛球方向に対する赤道の角度）　
傾き角 右３５度（水平方向に対する回転軸の角度）　
ボール回転数 毎分１０５０回転（下向き回転）　
球速 １２６km （スピードガン測定では、１４０km前後）
（３球目から１/２スロー）
キャッチャー側動画

１４０Ｋ：縦カット
飛球角 右７５度（飛球方向に対する赤道の角度）　
傾き角 右１５度（水平方向に対する回転軸の角度）　
ボール回転数 毎分９５０回転（下向き回転）　
球速 １２７km （スピードガン測定では、１４０km前後）
（３球目から１/２スロー）

１５５Ｋ：縦スライダー
飛球角 右４０度（飛球方向に対する赤道の角度）
傾き角 右１０度（水平方向に対する回転軸の角度）　
ボール回転数 毎分１２５０回転（下向き回転）　
球速 １４１km （スピードガン測定では、１５５km前後）
（３球目から１/２スロー）
キャッチャー側動画

１５５Ｋ：縦カット
飛球角 右６３度（飛球方向に対する赤道の角度）　
傾き角 右１５度（水平方向に対する回転軸の角度）　
ボール回転数 毎分１１５０回転（下向き回転）　
球速 １４１km （スピードガン測定では、１５５km前後）
（３球目から１/２スロー）